役所の監督員から、
「また次もお願いしたいですね」
って言われたくないですか?
実は、公共工事ではそこまで信頼されるようになると、その後の仕事がかなりやりやすくなります。
なぜなら、
「この会社はしっかり報連相してくれる」
「対応も早いし、安心して任せられる」
「何より自分たちも仕事がしやすい」
と、発注者側から思ってもらえるようになるからです。
逆に、最初の工事でレスポンスが遅かったり、書類の品質が悪かったりすると、
「この会社、大丈夫かな…」
「しっかり見ていかないと危ないかもしれない」
という印象を持たれてしまい、最後の検査まで厳しく見られてしまうことも少なくありません。
一方で、最初から施工管理や書類対応を丁寧に行っている会社は、発注者からどんどん信頼されていきます。
すると、検査もスムーズに進みやすくなり、結果的に工事成績も高くなりやすいのです。
結局のところ、発注者が見ているのは、
特別なパフォーマンスではありません。
- きちんと報連相をする
- レスポンスを早くする
- 問題を隠さず共有する
- 丁寧に対応する
こうした“当たり前のこと”を、誠実に積み重ねられる会社かどうかです。
そして、その積み重ねが、
「この会社なら安心して任せられる」
「またお願いしたい」
という信頼につながっていくのだと思います。
では実際に、発注者から「またお願いしたい」と思われる会社は、どのようなことを意識しているのでしょうか。
今回は、私自身の経験をもとに紹介していきたいと思います。
①遅滞なく書類を提出している
提出書類にはそれぞれ提出期限があります。
例えば東京都建設局の例ですと、施工計画書は○○まで
施工体制台帳は○○まで
などのようにそれぞれの書類で決められた提出期限があるんですよね。
基本的にはこの提出期限内に提出しなければなりませんが、どうしても期限内に出せない時もありますよね。
そういう時はこちらから「○○の理由で期限内の提出ができないのですがどうしたらよろしいでしょうか?」と確認をしなければいけません。
確認をせずに「仕方ないんだから何も言わなくても大丈夫でしょ」と自分だけで納得しても監督員は「ふーん、何も言って来ないんだ。仕様書読んでないんだなー」と思うことでしょう。
残念ながらこの時点で微妙な受注者というレッテルを貼られてしまうのです。
なので、発注者それぞれの仕様書をよく確認し、提出物と期限を確認し、提出管理をしていくことが重要です。
② レスポンスが早い
役所から信頼される会社は、とにかくレスポンスが早いです。
もちろん、「何でも即答する」という意味ではありません。
- メールを確認したらまず返信する
- 分からないことは「確認して折り返します」と伝える
- 指摘事項に対してすぐに動く
こうした基本的な対応がしっかりしています。
つまり、工事に対してきちんと責任感を持っているということの現れですよね。
逆に、連絡が遅い会社は、それだけで監督員に不安を与えてしまいます。
「この件、ちゃんと対応してるのかな?」
「またこちらから催促しないとダメかな…」
この“小さな不安”の積み重ねが、徐々に信頼低下につながっていくのです。
特に公共工事では、監督員も複数の現場を抱え、普段から忙しい状態です。
なので、できるだけスムーズに早く仕事を処理したいのです。
そのため、
「この会社は連絡が早い」
「話がスムーズに進む」
「放置されない」
というだけで、実はかなり印象が良くなります。
また、レスポンスが早い会社は、問題発生時の初動も早い傾向がありますよね。
だからこそ、
「この会社なら安心して任せられる」
という信頼につながっていくのだと思います。
③ 問題を隠さず素早く共有する
公共工事では、工事を進めていれば必ず何かしらの問題が発生します。
- 想定と現場条件が違う
- 材料納期が遅れる
- 近隣対応が必要になる
- 図面通りに施工できない
- 事故を起こしてしまった
など、大小さまざまです。
もちろん、問題が起こらないように事前調査をしておくことや
早めに材料を抑えておいて工期を遅らせない配慮などは必要です。
ですが、ここで大切なのは、
“問題をゼロにすること”
ではありません。
問題が起きた時に、
どれだけ早く共有・相談できるかです。
信頼される会社は、
「まず相談する」
という動きがとても早いです。
逆に、怒られるのを恐れて隠したり、ギリギリまで黙っていたりすると、後から状況が悪化してしまうことがあります。
すると監督員からも、
「なぜもっと早く言わなかったの?」
「これ、もっと早く対応できたよね?」
という印象を持たれてしまいます。
実際、監督員としても、早めに相談してもらえれば一緒に対応を考えられるケースは多いのです。
だからこそ、
問題が起きた時ほど、
- 早めに報告する
- 状況を整理して伝える
- 自分なりの対応案も考える
こうした姿勢が、結果的に信頼につながっていくのだと思います。
一番良くない対応は、問題が起きたときに何も報告・連絡・相談しないことです。
④ 書類と現場に整合性がある
役所の監督員は、提出された書類だけを見ているわけではありません。
実際の現場状況と、
提出された書類内容が一致しているかを見ています。
例えば、
- 写真と出来形が合っているか
- 施工計画書通りに施工されているか
- 品質管理記録と現場状況に矛盾がないか
こうした部分です。
信頼される会社は、
書類だけを綺麗に作るのではなく、
“現場と書類がきちんとリンクしている”
のです。
逆に、
「書類上はちゃんとしているけど、現場を見ると何か違う」
「写真と実際の施工状況に違和感がある」
こうしたズレは、監督員にも意外と伝わります。
特に経験豊富な監督員ほど、
“現場(写真)を見れば分かる”
部分があります。
だからこそ、
後から辻褄を合わせるように書類を作るのではなく、
- 日頃から写真を整理し、おかしな写真は撮りなおす
- 現場状況が設計と相違無いか、チェックする目を持つ
- 施工内容と書類を一致させる
といった積み重ねが大切です。
公共工事では、最終的に残るのは書類です。
だからこそ、
「現場をきちんと管理している会社」
であることが書類から伝わると、発注者からの信頼にもつながっていくのだと思います。
⑤ 「言われる前に動く」
信頼される会社は、
“言われてから動く”
ではなく、
“言われる前に動く”
ことを意識しています。
例えば、
- 言われなくてもどんどん着工書類を提出していく
- 現場状況をいち早く確認し、問題点・確認点を明確にして協議する
- 工程への影響を早めに共有する
- 指摘されそうな部分を先に確認する
などです。
こうした対応ができる会社は、監督員から見ても非常に仕事がしやすいです。
逆に、
毎回言われないと動かない会社は、
「次はこれも言わなきゃ」
「また確認しないと危ないな」
と、監督員側の負担が増えてしまいます。
公共工事は、
ただ施工を行えばいいだけではなく、
発注者・近隣・協力会社など、多くの人と関わりながら進めていく仕事です。
だからこそ、
“相手が次に何を求めているか”
を考えて行動できる会社は、自然と信頼されていくのだと思います。
まとめ
公共工事で「またお願いしたい」と言われる会社は、特別な技術を持っている会社とは限りません。
むしろ、
- 遅滞なく書類を提出している
- レスポンスが早い
- 問題を隠さず素早く共有する
- 書類と現場に整合性がある
- 言われる前に動く
こうした“当たり前のこと”を、当たり前以上に丁寧に継続している会社です。
そして実際、そういう会社は発注者からどんどん信頼されていきます。
すると、
「この会社なら安心」
「またお願いしたい」
「次の工事も来てほしい」
そう思ってもらえるようになり、結果的に仕事も進めやすくなっていくのです。
逆に、最初の対応で信頼を失ってしまうと、その後ずっと厳しく見られ続けることもあります。
だからこそ私は、施工管理で最も大事なことは”発注者との信頼を築くこと”
だと思っています。
ただ、こうした対応を継続するには、現場監督一人の頑張りだけでは限界があります。
現場管理、書類対応、発注者対応をすべて一人で抱え込ませるのではなく、現場監督が現場に集中できる環境を会社として作っていくこと。
それが、これからの建設業ではますます重要になっていくのではないでしょうか。
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